2022年4月25日更新 Vol.219

持続可能なプラスチック!?
『バイオプラスチック』とは

  • リサイクル・その他


2022年4月1日に「プラスチック資源循環促進法」が施行されました。生活のさまざまな場面で使われてきたプラスチック製のスプーンやフォーク、レジ袋など。2020年のレジ袋有料化に始まり、最近ではカフェなどでも紙製のストローが使われるなど、少しずつ変化が見られます。
省エネの達人コラム「プラスチック資源循環促進法が成立。製品の使い捨てを減らしましょう」では、その概要を紹介しましたが、今回はプラスチック製品の新たな動きとして『バイオプラスチック』を紹介します。

プラスチック製品の新しいかたち

これまで広く使用されてきたプラスチック製品は、そのほとんどが石油などの化石資源を原料とするものでした。今、そうしたプラスチックに代わるものとして、バイオプラスチックが注目されています。バイオプラスチックとは一般的に「バイオマスプラスチック」と「生分解性プラスチック」の2種類のプラスチックの総称として使われています。

【野菜からできる!?バイオマスプラスチックとは】
バイオマスプラスチックはサトウキビやトウモロコシなど、わたしたちが普段口にしている野菜などの植物が原料となります。これらの糖質(でんぷん)や油脂部分を加工してプラスチックをつくります。これまで原料として使われてきた石油をはじめとする枯渇性資源の使用を削減できることがメリットのひとつです。
また、バイオマスプラスチックも焼却の際にCO2を排出しますが、そのCO2は植物が成長過程に光合成により吸収したものであるため、大気中のCO2の量に影響はありません。つまり「カーボンニュートラル」というわけです。

【CO2と水になる、生分解性プラスチック】
一方の生分解性プラスチックとは、微生物などの働きにより最終的にCO2と水に分解することができるものをいいます(原料はバイオマスに限りません)。
一般的なプラスチックは、使用後に適切に処理しないと自然分解されず、そのままのかたちで残ることが多くあります。そのためプラスチックごみによる景観の悪化や環境汚染、海洋生物への危害、生態系を回って人体に引き起こされる健康被害などの可能性があるのです。これを生分解性プラスチックにすることで、課題の解決につながっていきます。


たとえば、生分解性プラスチックの袋で生ごみを回収できれば、袋ごと堆肥化などの処置を進めることができます。回収段階では衛生的に、処理段階では手間を省くことができる、一石二鳥な取り組みといえますね。

バイオプラスチックの特性を理解しよう

さまざまなメリットのあるバイオプラスチックですが、製造コストが通常のプラスチックよりも高価であることなどから、まだまだ汎用性があるものとはいえません。
また少し複雑ですが、同じバイオプラスチックでも、バイオマス原料のプラスチックのなかには生分解されないものも含まれます。さらに生分解性プラスチックは、地上にあることで生分解される構造となっているものが多く、海洋など水のなかでは生分解されにくいものが多くあるのです。


いずれにしても、一般的なプラスチック製品と同様、限りある資源です。まずはわたしたち一人ひとりが大切に使用して、適切に処分(処置)することから始めていきたいですね。

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