5月に入り暑い日が増えてきました。最近はコロナ禍で食材のまとめ買いをする方も多いと思いますが、いつの間にか日にちが経ち食べられなくなってしまう…なんてことはありませんか。これからの梅雨や夏の暑い季節、食品の保存には特に注意が必要です。
今回は、長期の保存が難しい野菜を上手に冷凍保存する方法をまとめました。巣ごもり生活で増えた“おうちごはん”をムダなく、おいしくいただくひと工夫です。
おうちごはんをおいしくムダなく
上手な冷凍ワザで食品ロスを減らす!!
- リサイクル・その他
急速冷凍でおいしく保存
食品を冷凍するときは、なるべく短時間で凍らせることがポイントです。冷凍すると食品自体がもつ水分が氷の結晶となるのですが、結晶となる温度は-1℃から-5℃。この温度を早く通過させてしっかり冷凍することで、結晶が大きくなるのを防ぎ、味や食感の変化を抑えることができるのです。
冷蔵庫に急速冷凍などの機能がある場合はそれを使いましょう。ない場合は、以下のポイントに注意して冷凍しましょう。
★短時間で凍るよう、食品はなるべく薄く、平たくまとめる。
★熱伝導率のよいアルミのパットなどに食品をならべる。
★パットがない場合は、ラップなどで包んで、さらにアルミホイルで包む。
★冷凍焼けを防ぐため、包装は食品が空気に触れないようにしっかりと密着させる。
★冷凍庫の温度上昇を防ぐため扉の開閉は回数を少なく、開ける場合は短時間にする。
凍らせて便利!冷凍向きの野菜たち
① トマト
生のまま食べるサラダなどには向きませんが、煮込みや炒め物に使用する場合は、冷凍保存が便利です。ざく切りなどにして冷凍しておくと、凍ったままの状態で火にかけることができます。また、ヘタの部分を切り取って丸ごと冷凍するのもおすすめ。凍ったトマトは繊維が壊れており、熱湯を通さなくても水洗いするだけで、簡単に皮をむくことができます。小さくて調理しにくいプチトマトの皮もつるっとむけます。
② ほうれん草
ほうれん草はきれいに洗って水分をふき取ってから冷凍しておくと、サラダやおひたしなど生のままでも食べられます。冷凍するときは葉の部分と、茎や根の部分に分けて保存しておくと便利です。栄養価が高い根の部分は火を通すお味噌汁にするなど、用途に合わせて使用できます。また葉の部分は冷凍すると砕けやすくなるので、一度に使う量ごとに分けておくと取り出しも簡単です。
③ もやし
日もちのしないもやしも冷凍保存がおすすめです。購入した袋のまま冷凍しても問題ありませんが、特有のにおいが気になる場合は、一度水洗いして水分をしっかりとふき取ってから保存袋に入れて冷凍します。もやしのシャキシャキとした食感を楽しむおひたしやナムルなどは冷凍に向いていませんが、炒め物やスープで使用する場合は問題ありません。凍ったままのもやしはそのまま調理でき、味もしみこみやすいので時短にもなります。
④ きのこ類
きのこは冷凍することでうまみ成分や栄養価が増す食品です。これは冷凍することできのこの繊維が壊れ、栄養が外に出やすくなるため。しめじやえのきは石づきの部分を取って、しいたけやエリンギは使いやすい大きさに切ってから冷凍します。また調理するときは、解凍してしまうとうまみ成分などが逃げてしまうので、凍ったまま使用するほうがよいでしょう。いろいろなきのこを一緒に冷凍する「ミックスきのこ」がおすすめですが、しめじはほかのきのこより水分量が多いので、別で保存するほうが使いやすいです。
冷凍保存は、食品の種類によって適した期間が2週間から1カ月ほどと、違いがあります。冷凍にしておけば安心と考えずに、庫内の食品をしっかりと管理して、ムダなくおいしい食事を心がけたいですね。
「つかう責任」を果たそう!
国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)のなかには、食品ロスの課題解決に向けた目標12「つくる責任 つかう責任」という項目があります。そこでは2030年までに世界全体で一人あたりの食料の廃棄を半減させるという目標が掲げられています。小さな取り組みですが、わたしたち一人ひとりの心がけが、「つかう責任」へとつながっていきます。