2017年7月5日更新 Vol.46

1本の木が吸収できる二酸化炭素ってどのくらい?

  • 電気

一刻も早くCO2を減らす必要がある!




地球温暖化の原因の一つに挙げられるのが二酸化炭素(CO2)です。
過去にはCO2が約200→300ppmに増えた際、マンモスが滅び、氷河が溶け出して氷河期が終わり、地球環境が激変したといわれます。現在の大気中のCO2濃度は約400ppmとなっています。環境を守るために世界の各国はCO2の排出量を減らす必要があります。



CO2を減らすには、石油や石炭といった化石燃料の使用をやめ、なおかつ排出されたCO2を植物の光合成によって酸素に変換してもらう必要があります。
しかし私たちの生活を支える電気は、現在のところ石油や石炭を燃やして作られている分が中心です。太陽光や水力・風力などの再生可能エネルギーも利用されているのですが、まだまだ主流になるほど安定して電気を作り出せていないのが実情です。

ppm=100万分の1を示す単位。この場合、大気中に約0.04%のCO2があることを意味します。

電気はどれくらいのCO2を出して作られる?

では、普段の暮らしで電気を使っているとき、それがどのくらいCO2を生んでいるのかをみてみましょう。
日本テクノでは火力・水力・太陽光発電などで作った電気を供給しており、電気1kWhをつくる際に、418gのCO2が生じています(2016年3月までの計算結果より)。なお、日本テクノの火力発電は効率重視のガスエンジンタイプで、世界有数の環境性能を有しています。



省エネルギーセンターの総合エネルギー統計によれば、平均的な4人家族の場合、年間の電気使用量はおよそ5,500kWhです。
先ほどの計算では日本テクノの場合1kWhの電気を作るのに418gのCO2が出るので、年間5,500kWhなら2,299KgのCO2を排出している計算になります。

杉の樹1本が年間に吸収できるCO2の量は?

1年間家族4人で普通に暮らすということは、2,000Kg以上のCO2を排出しているのと同じなんですね。しかし、これだけでは正直、多いのか少ないのかよく分からないと思います。
では、このCO2を吸収するのに必要な植物はどのくらいかをみてみましょう。



CO2の吸収量は植物の種類や大きさによっても変わってきます。
40年ものの杉の木1000本が植えられた1haの杉林があると仮定します。林野庁によれば、この杉林が1年で吸収するCO2は8,800Kg(1日で吸収するのは24.1Kg)です。
8,800÷2,299=3.8、4人家族が4軒くらい集まってやっと杉林1ha分の年間CO2吸収量に相当するようですね。
そう考えると、結構な森林面積が必要だということがお分かりいただけると思います。
さらに、大気中のCO2濃度は今なお上昇を続けています。


最後に

使っていない電気器具はこまめにスイッチオフする。これからの季節の冷房は28度に設定するなど、家庭でできる省エネ策は当サイトでも色々と紹介しております。また、植林活動を応援することでCO2の削減効果が得られます。自分たちのできることから始め、美しい地球環境を守りましょう。
※2019年9月追記 杉林の単位に間違いがあり、修正しました。

参考:
林野庁WEB