2021年7月26日更新 Vol.192

好みに合わせて快適で省エネ!
「タスク・アンビエント空調」

  • 電気


全国的に梅雨が明けました。この時期の悩みといえば、暑さはもちろんですがオフィスの冷房の使い方ではないでしょうか。個人の好みや座席の位置で快適な温度が違うため、調整が難しいですね。最近では快適さを追究するだけでなく、 地球温暖化対策に対応できる省エネを意識した新しい空調システムが開発されています。
今回は、快適性と省エネの両立をめざした空調技術のひとつ、「タスク・アンビエント空調」の仕組みや取り組み事例をご紹介します。

「タスク・アンビエント空調」とは?

従来の空調はフロア全体を快適にすることを目的としていましたが、タスク・アンビエント空調はフロアを個人のデスク周りなど人が作業する「タスク空間」と、人があまりいない「アンビエント(周囲の)空間」に分け、 タスク空間のみ温度を効率的に調整することで全体としての省エネを図ります。個別に空調を制御するので個人個人の快適性も高まります。

次世代空調システムで快適性と省エネを追究!

現在多く出回っている空調は、空調本体の吹出し口から空気を流す方法が一般的です。一方、タスク空調はメーカーによって異なりますが、床や個々のデスク、パーテーションなど、個別に吹出し口を設置します。オフィスレイアウトや個人の好みに柔軟に対応できる点がメリットです。最近では、ICカードと温度・人感センサーを連携させた空調システムも開発されました。ICカードをパソコンにつないだカードリーダーにセットするとセンサーが着席を感知して、 事前に登録されている個人の温冷感データをもとに空調を自動制御する仕組みです。時間帯で温度管理しているので、たとえば「昼食後は室温を少し下げる」などさらに細かく設定することができます。

おうちでもできるタスク・アンビエント

実際の導入には改修コストなどの課題もありますが、よりよい職場環境をつくるヒントになるかと思います。 また、今回はオフィスでの活用例をご紹介しましたが「タスク・アンビエント」の考え方は、自宅の冷房や照明の使い方にも応用することができます。

1.冷房は使う場所や時間を最小限にして、人がいる場所では扇風機やサーキュレーターを使う。
2.照明は天井の蛍光灯の使用をなるべく控え、デスクライトやテーブルランプなど個別照明を使う。

タスク空間を意識することで、さまざまな工夫が生まれます。この夏はおうちでも心地よく、省エネも意識して過ごしてみませんか。

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