2021年1月15日更新 Vol.173

森林認証制度を知ろう

  • リサイクル・その他


みなさんは「森林認証制度」をご存じですか。

森林認証制度とは、森の木々を守っていくため、適切に管理された森林や木材の利用を消費者に推奨する制度です。FSCや、PEFC/SGECなど複数の認証機関が世界各国に存在し、「森林が適切に管理されているか」、また「そこから切り出された木材が適切に加工・流通されているか」という2つの観点から認証を行っています。
そして認証を受け流通した木材や紙製品には、認証ラベルが付きます。

農地・放牧地へと変わる森林


ではどうして森林認証制度は必要なのでしょうか。 地球上の面積の約3割を占める森林。わたしたちは森林からたくさんの恩恵を受けながら生活しています。しかし近年、熱帯の国々を中心に、森林破壊や減少が問題になっています。原因はさまざまですが、食料確保のための農地・放牧地への転換や、開発途上国では燃料としての木材需要の増加も見られます。
そういった状況のなかで、森林減少の食い止めはもちろんですが、森林との共存という意味では、持続可能な開発をしていくことも必要であり、森林認証制度が指針のひとつとなっています。

定期的な管理が必要な人工林


日本の状況を見てみると、国内の森林は大きく2種類に分けることができます。ひとつは、自然の力で発芽して育った天然林や里山の雑木林などで、これが森林全体の約50%を占めています。
もうひとつは、主に建築などに使う木材を生産するために、人の手によって育てられた人工林と呼ばれる森林です。人工林は間伐などの定期的な管理をしないと、木がお互いの成長を邪魔して、細い木しか育たなくなってしまいます。そうなると根を十分に張ることができず、台風や豪雨による倒木・土砂崩れを招いてしまう可能性があるのです。
世界各国と日本での状況は異なりますが、森林の適切な管理が、わたしたちの生活や、地球環境を守ることにつながっているのは変わりありません。

日本の森林認証の現状は?


わたしたちの生活のなかには、コピー用紙や封筒・ノートなどの文房具、トイレットペーパー、牛乳パックなど、さまざまな商品に森林認証を受けた材料が使われています。
しかし、少しずつ身近になってきたと感じる森林認証ですが、現在日本で森林認証を取得している森林の割合は国内の森林全体の9%ほどに過ぎません。森林認証の先進国といえるオーストリアでは81%、フィンランドでは84%(林野庁調べ)ですから、まだまだ途上の取り組みといえますね。
まずは身近にある森林認証商品を探してみませんか。思わぬ発見があるかもしれません。

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