新聞やニュースで化石燃料という言葉を聞きますが、一体何でしょうか。化石燃料とは簡単にいえば、石油、石炭、天然ガスなどのこと。これらは微生物の死骸や枯れた植物などが何億年という時間をかけて化石になり、やがて石油や石炭などに変化したと考えられているため、このように呼ばれています。
減らせば温暖化防止
化石燃料について深く知る
- 電気
化石燃料とは
化石燃料の歴史
16世紀ごろから徐々に石炭が動力源として利用されるようになりました。当時主流だった燃料は薪ですが、石炭は同じ重さでも薪に比べ3~4倍の熱量をもっています。それが炭鉱で集中的に採取できることもあり、「黒いダイヤ」と呼ばれ、その利用が拡大していきました。英国の工場では、石炭を燃料とする機械の導入が進むことで、産業革命が実現します。やがて石炭に続いて、もう1つの化石燃料である石油が普及していきます。石油は石炭よりもさらに熱量が高く、また液体であるため使い勝手がよいという特長があります。1859年に米国で新しい採掘方式が開発され、石油の大量かつ安定的な供給が可能になりました。さらに、1950年代になると、中東やアフリカで大きな油田が発見され、エネルギーの主役は石炭から石油へと移っていきました。
化石燃料の用途
化石燃料は、工業化が進んだ200年ほど前から人間がもっとも使ってきたエネルギーで、現在もっとも多い用途は火力発電所の電源です。そのほか、石油はガソリンや灯油、プラスチック製品の原料として、天然ガスは家庭用のガスとして使われています。しかし化石燃料は無限にある資源ではありません。現在では人間の生活になくてはならないものですが、残念ながら有限な資源です。今のペースで化石燃料を使い続けると、石油は約50年、石炭は約130年、天然ガスは約50年しかもたないといわれています。
地球温暖化の一因にも
先ほど説明しましたように、化石燃料は主に発電するための燃料として使われています。しかし、発電時にCO2を排出するため、地球温暖化の一因になっていると考えられています。化石燃料に対して非化石燃料という言葉があります。非化石燃料とは、太陽光や風力、水力、地熱などの再生可能エネルギー(再エネ)、原子力などを指します。これらは発電時にCO2の排出量が少ないという意味ではクリーンなエネルギーといえます。日本も欧米諸国と同様に再エネなどを中心とした非化石燃料での発電を増加させようとしています。再エネはデメリットとして供給力の不安定さ、発電コストの高さが挙げられますが、今後の技術の進化に期待しましょう。