海岸を埋め尽くすプラスチック(以下プラ)ごみ、魚網が絡まったまま泳ぎ続けるウミガメ。こうした画像を目にした人も多いと思います。本コーナーでも第101回「海が危ない?海洋プラスチック問題」などで紹介してきました。
WWFによれば、既に海洋には計1億5000万トンのプラごみが流出しており、さらに毎年800万トンのプラごみが新たに流入していると推定されます。800万トンはジャンボジェット機に換算すると約5万機だそうです。すごい量ですね。
そのプラスチック
捨てるのはちょっと待って!
- リサイクル・その他
海洋プラスチック問題は待ったなし
いまも増え続けるプラスチックごみ
日本では既に容器包装リサイクル法が施行されていますが、2019年1月発表の環境省資料では、日本の1人あたりのプラごみ廃棄量は約35Kg(年)で世界2位となっています。しかし日本のプラリサイクル率は、燃やして熱を回収する「サーマルリサイクル」をのぞくと24.8%となり、この数字は容器包装リサイクル法施行後もさほど変化がありません。
リサイクル率が低調なのは、プラリサイクルが自治体主導なことが大きく関係しています。自治体はコスト増となるプラリサイクルに積極的ではなく、今後はメーカー主導の対策が求められています。
現在利用可能なメーカーのリサイクル
以下に2019年11月時点で利用可能なプラリサイクルを紹介します。なお、居住地域などによっては利用できないサービスがあります。予めご了承ください。
歯ブラシリサイクル
ライオン株式会社とテラサイクルの共同プログラムで、公共の場所で回収を行うほか、個人では2Kg(歯ブラシ約200本分)から発送可能です。
インクカートリッジ「里帰りプロジェクト」
プリンターおよびインクを製造するブラザー・キヤノン・エプソン・日本HPの4社が共同で実施するリサイクル。全国約3600の郵便局と一部自治体施設に回収専用箱を設置しています。
プラスチック空き容器から作る みんなの表彰台プロジェクト
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(東京2020組織委員会)がP&Gの協力の下、全国約2000店のイオン店舗で実施中です。
食品トレー等小売店頭リサイクル
食品トレー製造のエフピコでは発泡スチロール製トレーをはじめ、透明容器、ペットボトルのリサイクルのため、全国のスーパーを中心に回収ボックスを設置しています。
ペットボトルリサイクル
大阪市がサントリーと協力し、通常の資源ゴミで回収したペットボトルをリサイクルし、自社製品の原料にします。こちらは体制が整い次第、順次実施予定のようです。
探してみよう、自分にできること
プラスチック製品そのもののリサイクル率を上げる活動は徐々に広がっています。自治体のごみ収集で出すだけでなく、いろんな選択肢を意識して、ぜひ循環型社会の実現をめざしましょう。