2019年1月15日更新 Vol.101

海が危ない?
海洋プラスチック問題

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海洋プラスチック問題とは?

海洋プラスチック問題とは、人間が廃棄したプラスチックが海や沿岸部に流出している問題のことです。プラスチックは、化石燃料由来であるため容易に分解ができず、回収するまでプラスチックのゴミとして残ってしまうということが最大の要因です。プラスチックのなかでも5ミリメートル以下の小さいプラスチックを、マイクロプラスチックと呼びます。マイクロプラスチックは多くの海洋生物に食べられ、生態系の破壊や人体への健康被害などを引き起す可能性があり、今後大きな問題となっていくと考えられています。

海洋プラスチック問題の現状と未来

2015年に学術誌のサイエンスが発表したデータによると、海洋に漂うプラスチックの量は、年間800万トンにも及ぶそうです。問題が改善されず今の状態が続けば、2050年にはプラスチックの量が海の生物を上回るようになるとも推測されています。

各企業、国や地域の対応

そのような状況のなか、世界中の各社で脱プラスチックの動きが広まりつつあります。代表的なところでは、コーヒーで有名な「スターバックス」や外食チェーンの「すかいらーくグループ」が2020年までに全店舗でプラスチック製のストロー廃止を発表しています。この動きはアパレル業界にも波及していて、「ユニクロ」「ZARA」なども現在のプラスチック製のレジ袋から紙製のレジ袋へと転換を図っています。その他、小売業においてはレジ袋を有料化し、エコバッグ使用を促しているところもあります。また、国や地域でも対策が講じられています。欧州連合(EU)では、2018年10月に使い捨てプラスチックを規制する法案を可決しています。日本においても、環境省が発表した第四次循環型社会形成推進基本計画(2018年6月19日閣議決定)のなかで、「マイクロプラスチックを含む海洋ごみの対策」が記載されていますので、海洋プラスチック問題に対して具体的な指針などが待たれるところです。

身近なところから一歩ずつ!

この問題は、単に品物やサービスを提供する企業だけの問題ではありません。サービスなどを受ける我々消費者にもできることがたくさんあります。たとえば、飲み物を飲むときはプラスチック製のストローを使わない、買い物の際にはエコバッグを持参するなど、皆さんにも簡単に環境貢献できることがあります。今後の地球環境を考えればこそ、今やらなくてはなりません。この海洋プラスチック問題を真剣に考え、環境にやさしい生活を送ってみませんか?

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