調理や食べ物を温めるのに大活躍の「電子レンジ」。しかし、電子レンジの機能をよく知らないで使っている人も多いのではないでしょうか。今回のコラムでは電子レンジの省エネにつながる使用法を教えます。(今回は話をわかりやすくするために、家庭用大型電子レンジを例に説明します。)
電子レンジの特長を正しく理解し、省エネしましょう!
- 電気
便利な電子レンジ
500W、1000Wなどの出力ボタン
電子レンジには「500W」や「1000W」などと書かれた出力ボタンがついていて、「通常の温めには500W」「急いで温めたいから1000W」「節電したいから1000Wは使わない」などと使い分けている人も多いでしょう。しかし、電子レンジの出力ボタンに表記されているこの「500W」「1000W」といった数字は、実は消費電力を表してはいません。これらはマイクロ波の「定格高周波出力」という数値で、食べ物を温める時に使われるエネルギーの強さを表しています。すなわち、「数値が大きければ大きいほど、温める力が強い」ということになります。
電子レンジの消費電力
電子レンジの消費電力はメーカーや商品にもよりますが、一般的には定格高周波出力の1.5~2倍の消費電力がかかります。一般に定格高周波出力が「500W」だと消費電力は1000Wh程度、「1000W」だと1500Wh程度になるそうです。
・定格高周波出力「500W」で3分間使用した場合:消費電力およそ1000Wh
1(kWh)×0.05(時間)×25(円)=1.25円
・定格高周波出力「1000W」で3分間使用した場合:消費電力およそ1500Wh
1.5(kWh)×0.05(時間)×25(円)=1.875円
(※電気代単価は1kWh当たり25円と仮定)
それぞれ3分間使用した場合の電気代の差は1円未満。温める力が倍になったとしても、電気代が倍になるわけではないので、「1000W」で温めた方がお得ですね!
省エネにつながる使い方
電子レンジ内に汚れがあると、マイクロ波がそれらに反応して効率が悪くなります。こまめに掃除して、効率よく使用できる状態を保ちましょう。また、ターンテーブルいっぱいに食べ物を詰め込むのも効率が悪くなり、時間がかかる原因となってしまいます。たくさんの量を温める場合は、数回に分けて温めた方が省エネにつながります。その他、解凍するときは事前の自然解凍で使用時間を短くしたり、ターンテーブルタイプの電子レンジは中心よりも外側に温める物を置いたりした方が効率よくなります。
電子レンジは頻繁に使う電気製品ですので、工夫をしながら使うことで電気代を節約できます。皆さんも電子レンジを効率のよい方法で使用し、省エネを実現してください。