2018年3月25日更新 Vol.72

生物を守ることも
地球にとっては大切です

  • リサイクル・その他

省エネ以外にできる地球環境保護


当サイトは省エネ情報が多いですが、地球環境保護という視点で見ると、実は日常で意識できることが他にもあります。その1つが「生物多様性の維持」です。今回は生物多様性が自然環境にとってなぜ重要かについてと、日ごろから意識してできることについてお話しします。

多様な生物が生き残れる環境こそ重要

地球に生命が誕生した40億年前から今日まで、生物は様々な進化を遂げてきました。中には恐竜のように環境が激変し、絶滅した生物もいます。たくさんの種類の生物がいることはすなわち自然の豊かさを示す指数であり、人間が活用できる資源の種類も増えます。
人類のためだけに資源が存在するわけではありませんが、資源を自然の恵みと考えれば、人類は豊かな恵みを受けて生き残ってきました。人間が生き残るためには、自然は豊かなほうがよいのです。

種の多様性が失われつつある現代社会

ところが、現代では種の多様性が急速に失われつつあります。熱帯雨林では森林の消滅により1日あたり74種もの生物が絶滅しているといわれています。これらは人間の開発行為に起因しています。また、今年はうなぎの稚魚・シラスの不漁がマスコミで話題になっていますが、このうなぎも絶滅が危惧される種として、2013年から環境省のレッドリストに掲載されています。

一方で生命力の強い海外の種が日本に来て、日本の在来種が絶滅の危機に瀕しているケースがあります。たとえばタンポポは身近に見られる植物ですが、古来、日本には日本タンポポしかいませんでした。
ところが大正時代に西洋タンポポが持ち込まれると、またたくまに増え、日本タンポポは生息地をどんどん奪われていきました。

私たちにできること

豊かな自然環境を維持するために私たちにできることは何でしょう。それは「なるべく自然を手付かずで残しておくこと」です。

たとえば、現在、お祭りやペットショップなどで売っている亀は「ミシシッピアカミミガメ」といって、本来日本にはいない種類です。しかし飼いきれなくなった人が池や沼に放した結果、大量に増えてしまいました。

こうした生き物は「特定外来生物」と呼ばれ、現在アメリカザリガニやアライグマなど約150の動植物が指定されています。
外来の生物を自然に放すと、日本古来の生物が脅かされ、周辺も迷惑を受けます。もし外来生物を飼うときは最後まで責任を持って飼いましょう。

地産地消費も効果的

種の多様性を保つには、「地産地消」を心がけることも効果的だと言われています。たとえば秋田名物の「じゅんさい」は水のきれいなところにしか生息しない水草であり、これを消費することは地域の環境を保護することにもつながります。

独自の風土に合った食材を使うことで身近な地域の農業や水産業の振興が図れ、地域への理解も生まれます。さらに輸送や保存のために必要なエネルギーの節約につながり、環境への負荷を減らすことができます。