2020年11月15日更新 Vol.167

栄養の宝庫!酒かす活用法

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日本酒をつくる工程に、発酵熟成したもろみを搾って日本酒と搾りかすに分離する工程があります。この工程後に残った搾りかすが「酒かす」です。酒は昔から「百薬の長」といわれていますが、この酒かすも栄養豊富で、近年その栄養価に注目が集まっています。今回のコラムでは酒かすの栄養成分と活用法について紹介します。

豊富な栄養成分と効果

酒かすの栄養成分は、たんぱく質や炭水化物、食物繊維、ビタミンB群などです。そのほかにも、ペプチドやアミノ酸などの健康成分も多く含まれています。ビタミンB群は、疲労回復効果が期待できます。ペプチドは、複数のアミノ酸がつながったものです。酒かすに含まれるペプチドは植物由来であり、摂取により血圧の上昇を防止する働きが期待できます。また、酒かす100gには食物繊維が5.2g含まれています。食物繊維は、小腸での栄養の吸収速度を緩やかにしたり、便秘の解消を促したりする働きがあります。ダイエット効果や美肌効果も期待できます。

酒かすの活用法

それではどのようにして酒かすを摂ればいいのでしょうか。ここでは代表的なものを紹介します。まずは定番の甘酒です。一口大にちぎった酒かす100gに対して水800cc、砂糖 70g、塩ひとつまみを混ぜて温めます。酒かすが小さくなるまでかき混ぜれば、甘酒のできあがりです。お好みで、すりおろしたショウガを入れてもおいしいです。次に酒かすを焼いて食べる方法です。この方法は昔からの食べ方で、適当な大きさにちぎった酒かすをフライパンやオーブントースターで焼き目がつくまでこんがりと焼きます。焼けたらお好みで砂糖や醤油をつけて食べます。また、水と1:1に混ぜてペースト状にした酒かすと蜂蜜をパンに塗って焼く、酒粕トーストもおいしいです。そのほかにも、味噌の代わりに酒かすを出汁に溶いた「かす汁」や、魚や肉、野菜をかす床に漬けた「かす漬け」など、いろいろな活用法があります。

アレンジして楽しんでみましょう

とにかく栄養豊富で多くの効能があるのが酒かすです。日本酒の搾りかすだけにアルコールが入っているので注意が必要ですが、うまく料理に使えばコクと風味を増しておいしくしてくれます。アイデア次第でさまざまな料理に活用できますので、ぜひ皆さんもいろいろアレンジして、酒かすを楽しんでください。

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