フードマイレージとは、食料が産地から消費される土地まで、どれくらいの量の食料がどれくらいの距離を運ばれてきたのかを数値で表したもので、数値が大きければそれだけ環境に負荷をかけていることになります。もとはイギリスの消費者運動家が1994年に提唱した「フードマイルズ(food miles)運動」に由来し、日本の農林水産省農林水産政策研究所によって初めて導入されました。
ご存知ですか?
フードマイレージ
- リサイクル・その他
フードマイレージとは
フードマイレージの計算方法
計算方法は、食料の輸送量に輸送距離を掛けるという非常に簡単なものです。たとえば、100トンの食糧を50キロメートル運ぶ場合、100×50=5,000(トン・キロメートル)になります。ちなみに、2001年における日本の輸入食料のフードマイレージは約9,000億トン・キロメートル(農林水産省資料より)でした。この数値は韓国・アメリカの約3倍、イギリス・ドイツの約5倍、フランスの約9倍と、先進国の中でも大きな数値となっています。
地産地消
2018年の日本の食糧自給率はカロリーベースで約37%です。すなわち、日本で消費する食料の約3分の2を輸入に頼っています。私たちの食生活は、大量の食料を長距離輸送することによって支えられており、地球環境に大きな負荷をかけているといえます。それではどうしたら負荷を減らせるでしょうか。フードマイレージを小さくするためには輸送距離を短くする必要があり、つまり近くで生産されたものを消費する「地産地消」を推進することが大切になります。
フードマイレージの限界
フードマイレージは先ほど計算式を示したとおり非常にわかりやすい指標ですが、一方で限界もあります。1つ目は輸送手段が考慮されていない点です。輸送手段には、飛行機、鉄道、船舶、トラックなどがあり、それぞれ二酸化炭素(CO2)の排出量が違います。フードマイレージではそれらの違いが考慮されていませんので、正確な環境への負荷はわかりません。2つ目の限界は、輸送にしか着目していない点です。たとえば、同じ産地、同じ種類の食料であっても、ハウス栽培と路地物を旬に収穫するのとでは、当然CO2の排出量が違います。
そのため、最近では食料のライフサイクル全体を通じたCO2排出量を示す「カーボンフットプリント」という指標にも注目が集まっています。しかし、計算が複雑なため、一般消費者にはなじみが薄いのが実情です。フードマイレージは食料の量と産地がわかれば、誰でも簡単に計算できます。食料にも環境負荷がかかっていることを知り、そのことを意識するだけでも、これまでとは違った生活が送れるのではないでしょうか。