2020年5月7日更新 Vol.148

新型コロナウイルスと「エコ」の関係

  • リサイクル・その他

世界の経済活動が大きく減速

新型コロナウイルスによる感染症の猛威は2020年5月現在、とどまるところを知りません。
世界各国で外出禁止や工場の操業停止などが行われ、経済への影響が懸念されています。
一刻も早い収束を心より願っております。

CO2の放出量が大幅に減った

新型コロナウイルスが最初に発生した中国では生産活動が停滞した結果、2020年2月のCO2排出量が1億トン減少したという報道もありました。
1億トンは昨年2月であれば全世界のCO2層排出量の約6%に相当する量で、いかに大量のCO2が減ったかがご理解いただけると思います。
また、国境閉鎖などの動きの結果、航空燃料や運輸燃料の消費量が減っています。NYの原油先物市場では原油価格が一時マイナスになり、産油国が減産を決めるなど、新型コロナウイルスの収束が遅れれば、石油の消費は低調に推移する可能性があり、引き続きCO2の排出量は減るでしょう。

かならずしもよいことばかりではない

短期的にCO2を実現したからといっても、喜んではいられません。なぜなら、新型コロナウイルスが収束した場合、人々の興味・関心は経済の再興に集まり、その結果、温暖化への意識が低下すると予想されるのです。
「とりあえずいまは経済復興が先だよね」という空気が主流になったとき、いかに停滞した経済を回復させながら、温暖化の防止を両立させていくか、私たちは考える必要があります。

国連の提唱するSDGsの実践が理想的

本コーナーでもこれまで国連が掲げる持続可能な開発目標「Sustainable Development Goals=SDGs」について紹介してきました。SDGsでは「持続可能であること」がもっとも重要視されています。つまり、経済的な発展は続けつつも、環境問題も犠牲にしない、という姿勢こそ、新型コロナウイルスの収束後に求められるでしょう。
いまは一日も早く新型コロナウイルスが収束することを願い、行動し、そして収束した後に改めて経済発展と両立する環境問題の解決を図っていきましょう。