政府の方針では、使い捨てプラスチック製品の乱用に歯止めをかけるため、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどで買い物をするともらえるレジ袋が、2020年7月より有料化されることとなりました。対象は全国すべての小売業者です。政府はパブリックコメントを実施したうえで、12月に関連法の省令を改正する予定です。
2020年7月からレジ袋が有料化!
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レジ袋有料化へ
有料化の背景
2018年、国連環境計画が発表した報告書によると、日本は容器や包装に使われるプラスチックが、国民1人当たり年間およそ32キロ分ごみとなっていて、アメリカに次いで世界で2番目に多くなっています。世界各地で海洋プラごみの流出が深刻な問題になっていて、政府は2019年5月にまとめたプラスチック資源循環戦略で「2030年までに25%削減する」という目標を打ち出しています。レジ袋の有料化は、これを達成する手段のひとつとして同戦略に盛り込まれました。また、政府は6月、G20サミットの議長国として「2050年までに海に流れ込むプラごみをなくす」という国際合意をとりまとめています。
既に有料化の国や地域も
環境省によると、ヨーロッパなど20か国以上でレジ袋を有料化したり課税したりしているほか、製造や販売を禁止している国や地域もあります。また、国内でも既に有料化している都道府県が19あります。このうち富山県は2008年から有料化を始め、2018年までにおよそ15億7000万枚、およそ1万6000トンのプラごみを削減できたとしています。日本ではやっと全国規模で有料化が実施されることになりました。
地球環境を守るために…
今回の制度には、課題もあります。有料化が決まったものの、レジ袋の価格や売上の使い道は事業者みずからが決めるとしています。これまでの国内の事例から、価格は2円から5円程度になるのではといわれています。先ほどの富山県の例では、業者との協定方式でスーパーマーケットが5円に設定し、レジ袋の辞退率は9割を達成しています。また、「バイオマスプラスチックの袋」や「海洋生分解性プラスチックの袋」、「厚みがあり繰り返し使えるプラスチックの袋」は、有料化の対象外となっています。地球環境を守り、次世代に引き継ぐために仕方のないコストですが、今後レジ袋の使用はお財布にも環境にもやさしくなくなりそうです。皆さん、ぜひエコバッグを持参し、使用しましょう。