地球温暖化の問題は本コーナーでもたびたび取り上げていますが、その原因の1つに温室効果ガスが挙げられます。化石燃料を燃やし、そのエネルギーを利用することで技術を進歩させてきた人類ですが、結果として大気中の二酸化炭素(CO2)も増えています。二酸化炭素は地球温暖化に密接な関係があり、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)では産業革命以降、現在までで温度が1度上がった理由を二酸化炭素の排出が原因としています。
カーボンニュートラルをうまく活用!
木質バイオマスのおはなし
- 電気
温暖化を招く温室効果ガス
カーボンニュートラルという考え方
現在、二酸化炭素を減らす取り組みが世界中で行われていますが、その1つに「カーボンニュートラル」の活用があります。植物は地球に降り注ぐ太陽のエネルギーを使い、水とCO2を材料に光合成をすることで成長します。そのため植物を燃やして出るCO2は、元々大気中からその植物が吸収したものであり、地球上に新たなCO2は生じないというのが「カーボンニュートラル」の考え方です。一方、石炭や石油などの化石燃料などは、燃やせば燃やすほどCO2の排出が増えてしまいます。そこで植物を燃やし、エネルギーを活用するのが「木質バイオマス」です。
日本の木質バイオマスを使う
バイオマスとは、生物を意味する「bio」と量を意味する「mass」からなる造語で、化石燃料以外の生物由来の再生可能資源です。木質バイオマスというとなんだか難しそうですが、具体的には「間伐材」「製材後のおがくず・端材」「解体後の木造家屋」といったものが主で、これらをチップやペレットなどに随時加工したうえで燃やし、発電などに活用することを指します。ここで重要なのは、木質バイオマスの生産地。遠い外国などから燃料を使って船などで運ぶのは、CO2削減の観点からあまりよいとはいえません。
木質バイオマスが日本を救う!?
木質バイオマスは重油や灯油などの燃料に比べてコストが低く、経済的なメリットもあります。さらにFIT(再生可能エネルギー固定買取制度)では、バイオマスで発電した電力の買い取りを行っており、木質バイオマスを活用した発電所は徐々に増えています。また、石炭の一部を木質バイオマスに置き換えて発電を行う施設もあります。日本は森林が多く、林業が盛んなため、木質バイオマスの原料が比較的手に入りやすい国です。日本の自然環境をうまく活かしながら、地球温暖化が食い止められると良いですね!