2021年1月25日更新 Vol.174

温泉で発電!?地熱資源を上手に活用

  • 電気

「温泉発電」とは?



皆さんは「温泉発電」って聞いたことがありますか?日本は全国各地に温泉があり、世界屈指の温泉大国と言われています。 その温泉のもつ「熱」を利用して発電を行うのが地熱発電の一種である温泉発電です。一般的な地熱発電とは違い、新たな掘削を必要としません。 また、温泉の熱のみを利用するため二酸化炭素は排出されず、温室効果ガス削減に大いに役立つと期待されているのです。

温泉発電のメリットとデメリット

温泉発電のメリットは主に3つが挙げられます。

①低コストかつ短期間で開発が進められる
従来の地熱発電は地下2000m程度の地層にある熱水や蒸気を利用するのに対し、温泉の大部分が地下300m程度までの地層にある温水を利用しています。 そのため、入念な地質調査や深い掘削などが不要になり、コスト・期間が削減できるのです。

②安定した発電効率
温泉発電は、日照や天候に左右されず、24 時間、年間を通して安定した発電が可能です。また、一般的に太陽光発電の設備利用率は13%前後ですが、温泉発電は80%以上のため、 より安定した再生可能エネルギーといえます。

③温泉地との共存ができる
温泉発電では、最低限の地熱エネルギーのみを利用するため、温泉資源を奪うことがありません。また、場合によっては高温の源泉の冷却作業が不要になるケースもあります。 なお、すでに温泉施設で使用したお湯を発電に再利用することもできます。
一方デメリットとしては、配管の洗浄や修繕工事など、メンテナンスに手間・コストがかかること、 場所によっては開発規制があるため、その対応などが挙げられます。


「発電」、「まちづくり」…期待される温泉熱



ある温泉地では、温泉発電利用後の70℃程度の「二次温泉水」を活用して、温室栽培や魚の養殖などを行っています。 温泉熱が、温泉街の新たな観光地の魅力づくりに役立っているのです。このほか、各地で事業者と自治体がタッグを組んだ温泉発電の活用も始まっています。 また、近年は旅館などの温泉に発電を組み合わせることで、宿の電力を再生可能エネルギーで賄う動きも徐々に出てきているようです。

今後の普及のカギは「手軽さ」

ただ、温泉熱は徐々に活用されてきているものの、まだまだ普及には至っていません。その背景にはなじみの薄さや、地熱発電と比べれば低コストとはいえ、初期にまとまった投資額が必要なことなどが挙げられます。 日本には地熱資源が豊富にあるものの、現状ではまだまだ有効に活用できているとはいえません。 日本のエネルギー自給率は6%(2012年時点)と、海外の資源に大きく依存しています。地熱発電の1つとしての「温泉発電」のさらなる普及が楽しみですね。

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