ESGとは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)のそれぞれ英語の頭文字をとった言葉です。すなわちESG投資とは、企業の売上高や利益などの財務指標だけでなく、環境保全や社会貢献、企業統治の優れた企業を見つけ出し、その企業の株式などを購入していく投資手法です。その根底にはESGの重視が地球環境を守り、持続的な経済発展を促すため、長期的な利益につながるという考えがあります。
ESG投資ってどんな投資手法なの?
- その他
ESG投資とは?
ESG投資の始まりと現在
ESG投資は、2006年に国連が世界の機関投資家に責任ある投資を求めたことが始まりといわれています。それはいわゆるPRI(責任投資原則)と呼ばれるもので、PRIに署名した資産運用機関は2017年4月時点で1,700を超え、日本では年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など55機関が署名しています。GPIFがPRIに署名したのは2015年で、日本ではこれをきっかけにESG投資への注目度が高まりました。国際団体のGSIA(Global Sustainable Investment Alliance、世界持続可能投資連合)の調査によると、2018年時点のESG投資額は約31兆ドルにものぼるとされています。
ESGの主な内容
それでは、ESG投資の具体的な投資評価項目を見てみましょう。Eの「環境」は、CO2排出量削減などの地球温暖化への対応、環境破壊・環境汚染の回避、環境関連ビジネスの展開などが挙げられます。Sの「社会」は、地域貢献や人権擁護、労働環境の改善、人材のダイバーシティなどが挙げられます。Gの「企業統治」は、法令遵守はもちろんのこと、積極的な情報開示、社外取締役の採用などの透明性の高い経営体制などが挙げられます。
最後に
2015年9月の国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)。ESGのうちE(環境)とS(社会)はSDGsの目標につながっていく考えです。世界の動きはESに向かっているとしても過言ではないでしょう。また近年、日本でもGの企業統治がしっかりしていないために問題が発生・発覚し、業績や株価に影響を及ぼす企業が散見されます。株式投資をしている方はもちろんのこと、株式投資をしていない方でもESGを尺度にして日常の買い物で商品を選ぶのもありかもしれないですね。