2021年3月25日更新 Vol.180

お財布にやさしいだけじゃない!
制服リユースがつなげるやさしさの輪

  • リサイクル・その他


春は入学や卒業、引っ越しなど、新生活に向けて何かと物入りな季節ですね。
子どもの入学準備に頭を悩ませている方は多いのではないでしょうか。以前から、ふところにも環境にもやさしい「リユース」は人気ですが、 最近は子どもの制服や学用品のリユースが注目されています。それは家計を助けるだけではなく、社会貢献につながる取り組みにまで広がりはじめています。

思い出の制服をバトンタッチ


公立中学校の入学時にかかる制服代は新品でそろえると平均5万円前後といわれています。3年間のために使うお金としては安くありません。一方、学生服専門店があつかうリユース品は状態にもよりますが、 平均して新品価格の3分の1程度で買うことができます。

「まだ使えるのに捨てるのはもったいない」「譲る相手が近くにいない」という人から「入学準備金をおさえたい」「成長期にサイズが変わるたびに新品を買いたくない」 「すでに転校が決まっている」といった人へ、思い出のつまった制服がバトンタッチされるのです。

「おさがり」文化がもたらすもの


かつて、おさがりは知り合い同士で譲り合うものでした。ライフスタイルの変化などでやり取りが希薄になっていた「おさがり文化」は近年、リユース店を中心に復活の動きを見せています。 制服のリユースは、「物を簡単に捨てないこと」や「家計の負担軽減のサポート」につながるだけではありません。

関東地方のある学生服リユース専門店では、地域コミュニティーづくりにも協力していることが評価され、 県の助成金事業に認定されています。たとえば引っ越したばかりで近くに知り合いがいない人がこの店を訪れ、おさがりのやり取りだけでなく子どもの転校先や地域の情報を得るなど、地域のつながりをつくれるような場所づくりをめざしているそうです。

自動車教習所で制服を回収


また、別の県にある学生服リユース専門店は、県内4か所の自動車教習所に「学生服回収ボックス」を設置し、教習生に卒業などで不要になった制服を寄贈してもらっています。 集まった制服はリユース店に送られ、その買い取り額が国の支援団体を通じて「子ども食堂」などに寄付されます。この事業はコロナ禍で経済的に苦しい家庭の支援などへと広がっています。 自動車教習所は卒業を控えた高校生が通うので、制服の提供を呼びかけるにはぴったりの場所といえますね。

誰かのためにできること


制服の譲り合いは、PTAが中心となり、学校内で行われる事例も多くみられます。バザーなどの催しは、制服をきっかけに子ども同士や家族の交流の場になることもあるようです。 新品を身につける気持ちよさもありますが、おさがりのやり取りは子どもたちが「物を大切にする」「自分が誰かのために役立っている」という心を育むひとつの機会になるのではないでしょうか。

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