2019年9月15日更新 Vol.125

ご存知ですか?
フードバンク活動

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フードバンクとは


フードバンクとは、食品がまだ安全に食べられるのに包装の破損や印字ミス、過剰在庫などの理由で、流通させることができない食品を企業などから寄付してもらい、必要としている施設や団体、家庭に無償で提供する団体です。NPOなどが中心となり、活動を行っています。

日本の食品ロス


環境省によると、日本の2016年度におけるいわゆる「食品ロス量」は、事業者から出るもので352万トン、家庭からは291万トンでした。合計すると年間約643万トンの食品が、まだ食べられるにもかかわらず廃棄されています。これは、世界全体の食料援助量(2014年、320万トン)の約2倍に匹敵する量です。事業者からのほとんどが食品メーカー、外食、小売りの3つの業界から出ており、政府は2030年度までに2000年度の半分の273万トンまで減少させる目標を掲げています。

3分の1ルール


なぜこれほどまで多くの食品ロスが出るのでしょうか。その理由はいろいろ考えられますが、日本の食品業界の商習慣である「3分の1ルール」も理由の1つです。このルールは、メーカーから卸売り業者を通じて小売業者に納入されるまでの期限は、製造日から賞味期限までの期間の3分の1までとするルールのこと。また、販売期限は製造日から賞味期限までの期限の3分の2までとされ、その期間を過ぎると賞味期限内であっても店頭から撤去され、返品や廃棄されるのが一般的です。

企業からの寄付が増加、税制面でのバックアップも


最近は企業のESG対策の一環として、余った食品を必要な家庭などに橋渡しするフードバンクを活用する企業が増加してきました。ローソンは、8月からフードバンクへの寄付を始めました。店舗への納品期限を過ぎたお菓子や即席麺、缶詰などが対象。また外食産業でもデニーズやモスバーガーなど寄付を始める企業が出てきました。2018年12月に国税庁が、税務上フードバンクへの寄付は法人税の控除対象になると公表しました。すなわち寄付は廃棄と同等に全額損金として扱えるようになったため、寄付をしやすい環境になったといえます。

家庭での対策も

一方、食品ロスの約45%は家庭から出ています。企業側がいくら対策を講じても家庭で対策をしなければ、食品ロスは大きく減量できません。私たちも「食べないものは買わない」「賞味(消費)期限の近づいたものから食べる」「捨てる前に食べられないか考える」「食べ残さない」などを実践し、食品ロスの削減に寄与したいですね。また食品ロスが出そうなときは、以前本コラムでもご紹介した「サルベージ・パーティ(Vol. 98)」を実施するのもアリですね!

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