2019年3月25日更新 Vol.108

花粉症の人多くない?
その背景には環境変化も影響あり

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今年も悩んでいませんか?花粉症

長い冬が明け、春の訪れを楽しみにしている一方、花粉症に頭を悩ませる方も多いのではないでしょうか?花粉症とは体内に入った花粉を異物と認識して抗体をつくり、再び花粉が入ると涙や鼻水で体内から排除しようとする反応を指します。症状はくしゃみや目の痒みをはじめ、集中力の低下や倦怠感など多岐にわたり、生活にも支障をきたします。

増加し続ける花粉症患者

2008年に実施された「鼻アレルギーの全国疫学調査」によると、日本の花粉症患者は、全体の29.8%。うちスギ花粉症は26.5%で、10年前に比べ約10%ほど増加していることがわかりました。また、花粉症以外のアレルギーがある人、家族が何らかのアレルギーをもつ人は花粉症になりやすいと考えられてます。ではなぜ花粉症患者は増加しているのでしょうか?

1つ目の原因はスギ本体の増加

1960年代、戦後の経済復興に伴い林業が盛んになり、多くのスギが植林されていきました。その後、国内で需要が高まると生産が追いつかず、海外から安価な木材が輸入されるように。しかし、労働者の減少などにより林業は衰退し、枝打ちや間伐など手入れされず30年ほど放置された結果、花粉を飛散する適齢期に達したスギが、多くの花粉を飛ばすようになったのです。

2つ目の原因は環境問題と推測

トラックなどから排出されるディーゼル排気ガスに含まれる微粒子は、スギに対する抗体の生産を増強する作用があり、身体がスギ花粉に過敏に反応するという報告も出てきました。これは未だ調査の段階ですが、このように環境の変化は、身近なところでも健康に影響与えていると実感できます。花粉症患者数の減少には、まずスギの管理がポイントとなりそうですね。

徹底対策で楽しい春を…♪

皆さんメガネやマスクの着用など注意していると思いますが、さらに効果的な対策を紹介します。それはマスクの内側にガーゼを当てることです。このインナーマスクを挟むだけで、どんなマスクでも99%花粉を除去できたという結果が出ています。つくり方は環境省が発行している花粉症環境保健マニュアルの23ページをご確認ください。


また、花粉対策について誤った情報も流れています。たとえば雨・曇りの日は花粉飛散が少ない、注射で花粉症が治る、症状が出てから治療するなどなど。正しい対策を知り、花粉症を乗り切りましょう!

「もうイヤッ!花粉症?その裏側にある環境問題?」
http://www.eic.or.jp/library/pickup/pu020328.html

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