2019年3月5日更新 Vol.106

暮らしの基本「食」を知る
食育ってなに?

  • リサイクル・その他

生きるうえでの基本は「食」


皆さんは「食育」という言葉をご存知ですか。
2005年、国民に食事の重要性を意識してもらうために食育基本法が制定されました。ここで掲げられた食育の位置づけは以下の通りです。


○生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきもの
○さまざまな経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てること

こう聞くと「食育」は子供向けの教育の一種のように思えますが、実際には私たちの普段の暮らしにも深い関係があるのです。

いま、食育が必要な理由


現代の食生活は以下のような問題を抱えています。


①「食」を大切にする心の欠如
②栄養バランスの偏った食事や不規則な食事の増加
③肥満や生活習慣病(がん、糖尿病など)の増加
④過度の痩身志向
⑤「食」の安全上の問題の発生
⑥「食」の海外への依存
⑦伝統ある食文化の喪失

上記は自分の暮らしと照らし合わせると思い当たる方も多いのではないでしょうか。
こうした問題について理解し、食のあり方について考えることも「食育」の1つです。

エコと食育


食について深く知ることは、現代の環境問題について知ることでもあります。
たとえば⑤「食」の安全上の問題では作物を育てる際の残留農薬は、環境破壊や生物多様性の縮小などにつながります。同じように遺伝子組み換え作物などは周辺作物との交雑を起こし、在来種の減少などを引き起こす可能性が指摘されています。
また⑥「食」の海外への依存では、日本の食料自給率は先進国の中でも低く、その結果、化石燃料を消費しながらの輸入に大きく頼っているのが現状です。

地産地消・旬を食すことの大切さ


日本各地に伝わる郷土の野菜や郷土料理は地域の風土に合わせて進化してきたものであり、「地産地消」で旬のものを食べる生活は、地域の環境を保護することにもつながります。古くからの伝統食を知り、これを守ることも重要といえます。


さらに地域の食材を使うことで身近な地域の農業や水産業の保護・振興が図れ、地域への理解も生まれます。輸送や保存のために必要なエネルギーの節約につながり、環境への負荷を減ります。


最近はスーパーなどで売られている食品の産地や生産者について、買った人が調べられる仕組み(トレーサビリティ)が整ってきています。食について詳しく知る「食育」をぜひ実践してみてください。

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